カタチを創り上げて行く過程でいろんなスケッチが存在しています。
その中の一つにエスキースという言わば下書き的描写があります。
これは打合せに登場することはありません。
なぜならお見せしても意味不明であったり、その都度捨てていくからです。
ただ、エスキースを眺めているととても想い出深いものが思い出されます。
それは、アトリエで勤めていた時代。
エスキースの素晴らしさに触れたのを今でも思い出します。
そこには単純にカタチをつくり上げる下書きというより
住まう人の暮らしや営みを創り上げるという取り組みが紙面狭しと描かれていたからです。
普段は見ることのない情熱といったところでしょうか。
当時、妹尾さんからエスキースを前にコンセプトを説明され設計に取り組んだり
たまには、ぽつんとデスクに置かれていたこともあります。
意味不明なデッサンなどは先輩に聞いたりゴミ箱などを探しながらヒントを得たものです(笑)
言わば設計図の根幹的な存在でしょう。
エスキースが終わればゾーニングに入り次第にデッサンが整ってきます。
ちなみに写真はゴミ箱に捨てる前に撮ったモノ。
意味不明ですよね(笑)
ここにはプランニング(暮らし)とプロポーション(佇まい)がスケッチされています。
最近はコンピュータの普及で思考の劣化や便利さなどで画一遍なモノがあふれてきています。
しかしながら人間である以上アナログな思考から生み出されるアイデアやカタチは
時代をこえて新しい様式や暮らしを生みだされることと日々感じる毎日です。
やはり好奇心に勝る者はないでしょう(sim)