2011年 日本 監督:山崎佑次
生涯宮大工として生きた西岡常一(ニシオカツネカズ)
知ったのは高校の時だ。
教科書として渡された冊子を通じて何も分からないまま読んだ記憶がある。
法隆寺・薬師寺と手掛けたドキュメンタリーは心に響くものだった。
とくに弟子に教える言葉には圧倒される。
当時の文科省や学者には理解しがたい理念と技術が垣間見れる。
それは理屈ではなく経験と自らの体験からしか生まれないゆるぎないものだった。
書物の上でしか想像できないものがほんの一部映像化されることは
知らないモノたちへの光となることはまちがいないだろう。
「ヒノキ」という素材を語るだけでも奥が深く鋭い。
自ら「鬼」と称し弟子に接する場面はこっちまでブルブルくる印象を感じる。
現代建築にとどまらず時と共に静かに警鐘を伝えてるかのようだ。
久しぶりに建築をめざした当時を思い出された一時となった(sim)