かぞくのくに

2012年 日本 監督:ヤン・ヨンヒ

25年の歳月が経ち北朝鮮から一時帰国する在日コリアンの青年。

全編にどことなく暗い影をおとしながら子を想う肉親・兄を想う妹の慈愛と切なさを感じます。

(私たちにとっては考えれば考えるほどわからなくことばかりです)

当時「理想郷」とよばれた北朝鮮・アメリカ資本のなかで暮らす日本人

そして在日コリアン世界が切り取られ「あの国」へ行くことを決めた青年の葛藤描写が

心をうちます。

時間が止まり青春がとまった青年の口から「白いブランコ」という懐メロが流れるあたりは

時の残酷さを垣間見ることでしょう。

この作品のヤン・ヨンヒ監督自身も在日コリアンとして日本で暮らし映画活動をしているとのこと。

本人一作目の発表で兄の住む北朝鮮に渡ることが出来なってしまったこと。

そんな家族に会いたい気持ちすべてがこの作品に詰まっているのでしょうね。

ラストシーンにおける描写はまさにそれなのでしょう。

前回観たアメリカ作品における「幸せ」の物差しがこれほどの違い

自由や思想といった観えないボーダーラインがはたしてあるのか無いのか

必要なのかどうなのか?改めて考えさせられる夕べとなりました(sim)

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