1981年 フランス ジャン・ジャック・ベネックス作(セザール賞:4部門受賞)
フランス映画にはめずらしくサスペンス仕立ての趣。
今見ると物足りなさはあるもののなんとなくパロディされた構図や風貌など通じるものがある。
歌姫(ディーバ)のまわりで起こるファンとの掛け合い。
別次元ですすむ事件簿。
何ら関係ない両者が導かれるように絡み合って行く様は終始気になってしまう。
シンシア演じるディーバの美しい歌声はストーリーを離れ魅了されること間違いなし。
ヌーベルバーグ以降このような作品が台頭していくのだがベネックスは独特である。
もちろんベッソンやカラックスといった代表する監督も忘れられない。
作品の中でシンシアが発する想いに「芸術と商業」の関係性を説く場面がある。
相反する両者とどのように付き合い接していけばいいのか考えさせられる場面だ。
実際ベネックスも表現の自由を確保する上から
カルゴフィルムを立ち上げベティブルーで成功を収めている。
・・・・
なぜかシンシアの叫びがベネックス本人の叫びに観えた秀作だろう!(sim)