2011年 ポーランド レフ・マイェフスキ作
原題は「水車小屋と十字架」らしい!(とっちの方がいいかも:笑)
画家ピーテル・ブリューゲル作「十字架を担うキリスト」をモチーフに描かれた絵中劇というべき展開には
終始引きつけられるモノがあった。
開始早々30分程度におけるセリフなし!(暮らしのなかの生活音とノイズ)
日々淡々と暮らすフランドル地方民の営みを一枚の絵の中に導かれ(・・・というか放り込まれた感満載:笑)
絵師と共に悲惨で無慈悲そして社会の無関心さに驚くばかりである。
「バベルの塔」で有名な画家ピーテル・ブリューゲルをモチーフにしている作品とあって
興味津津ではあったが聖書や時代背景にはそれほど詳しくも興味もなく
どれほど理解したのか未知数だろう。
ただ作品におけるつくり込み(装飾・衣装・背景や映像)は今まで見てきた作品と比べ
群を抜くほどの出来栄え!
「絵」が刻々と動く仕掛けや絵師の感情などが素晴らしく表現され
本当に不可思議な印象を持った。
ゴルゴダの丘を見下ろす風車を止めるほどの魔法があっても人を救えない無力感を
俳優ルトガーハウアーがハマり役として登場している。
それを見るのも楽しみの一つだろう。
ただ後味がいいとは、けして言えないコアな作品であることは間違いない(笑:sim)