2011年 日本 瀬々敬久作
スクリーンで観たほうが断然気持ちが伝わる。
テーマもそうだが原作者(さだまさし)や俳優陣演じる個々の想いを聞きとるためには
DVDを介したテレビ画面では力不足だろう。
所々にちりばめられた叫びや緊迫感なんかは心に響くモノが有る。
最近「いのち」について様々な角度でテーマにした作品が多い。
日本映画固有のテーマと言っていいだろう。(また得意である)
困難やトラウマと向き合う時、個人がどう立ち向かうか?逃げるのか?
それとも他人事にしてしまうのか?
そんな現代社会の恥部を映画化している。
主人公演じる青年もそんな葛藤と持病によるコンプレックスとの狭間で相対して向き合う姿勢や
子供を失った女性の心情等、よくとらえられている。
「辛いから逃げる」のではなく「逃げるから辛くなる」といったところだろうか。
そんな日常茶飯事な毎日において皆感じる「イヤな事」を
一喝にて明るくする「一声」・・・・
それに笑顔する少女・・・・
そんな少女の「イノチ(笑顔)」が社会全体の皆と繋がりはじめ
「思いやり」への連鎖と移り変わっていって欲しい想いがよく表現されている。