Posts Tagged ‘シネマ’

シリアスマン

2009年 アメリカ コーエン兄弟作 (アカデミー賞・作品・脚本賞ノミネート)

世界一不幸な男・・・・ラリー(笑)

人生にはいろんな出来事が起こるもの!(でもこんな風に一度に来なくてもいいものなのに・・・)

「ダイハード・ジョンマクレーンなんて目じゃないかも:笑」

理解不能なことも・・・素晴らしいことも・・・楽しいことも・・・・怖いことも・・・

冒頭に流れる教訓ともいえる難解なキーワードも、席を立つ頃にはニコニコしながら受け入れられた。

ユダヤ教コミュニティを舞台に繰り広げられるシリアスでワンダーな暮らしが

ブラックユーモア満載って感じで終始、たたみこんでくる。

日本人から見ればそこまで宗教思想が浸透していないためか面白く感じるのは不思議なくらいだ。

いたって本人は悩んで苦しんでいるのだが・・・・!

そんなとき登場するのユダヤ人指導者(ラビ)である。

しかしこれがきっかけでさらに大変なことに成っていく様は見ているこっちまで笑えなくなる始末!(泣)

物理学者独特のポリシーや数学的難解な思考・・・結果を見いだせない自分といい加減な仲間・・・・

「神様はいろんな事象を与えてくれるものの答えてはくれない」

ならば自分で答えを解いていこう!・・・・

人生に至って答えなど必要としないことや答えなどないものの方が多いものである。

見方を変え自由奔放に生きれれば本当に幸せである。

実は自分の傍らには、

その自由がいつも寄り添っていてついつい日常にながられ気付かない小さなもの。

そういえばここに来る前に訪れた

「額縁をかえてみる:林 浩 展」で観た

陶芸家とのコラボレーション作品も視点をかえ手をかえ物事を考えてみる

取り組みだったことを思い出した。http://www.tot3.com/zozogama/index.html

・・・・・・

何事も受け入れることの大切さがわかれば、きっとその人にとって幸せな人生を切り開けていけるだろう!

そんなユーモアあふれる作品はもう一度見に行ってみたいものとなった(sim)

Thor マイティ・ソー

2011年 アメリカ ケネス・ブラナー作

アメリカンコミック原作によるマーベルコミック第4部作目である。

いろんなヒーローものやストーリーが混在する中、この設定は興味深いものがある。

原作コミックとは、かなり編集されているもののシリーズムービーが持つ後引く面白さがあった。

主人公の青年(金髪ムキムキ筋肉マン)と学者ヒロイン(ナタリーポートマン)による恋の駆け引きなどは、

年の差カップルというユーモラスさと葛藤が印象深い。

(思えばこの前ブラックスワンを観たばかりで・・・入れ込み方が全然間逆のことろも楽しい:笑)

この設定から見ると地球人代表と言わんばかりの女性像なのか・・・?

単におこりっぽい神様の好みなのか・・・(笑)

このストーリーを描くには少々時間が短くもっと丁寧にわかりやすくあがくと次回への意欲もわくはずなのだが・・・

スタートレックムービー的な緻密な世界観はないものの、

アメリカ人が好きそうな設定であることは間違いないし宗教人口分布からいえばヒットするのは当然だろう

それにしても3D映画って必要ないだろう!(笑:sim)

SUPER8

2011年 アメリカ J・J・エイブラムス作

子供が大人へと成長していく過程には様々な想いや人からの思いやりが交差するものです。

そんな片親同士の二人が失った者への寂しさや父親からの慈愛の狭間に揺れ動かされながら

ひと夏の思い出が展開する。

待ちに待った夏休み(自分もむかしはテンションあがったものです:笑)

自主製作の映画を撮るために集まった仲間は個性豊かで様々です。

ヒロインのエル・ファニングも童心に帰ったようにすばらしいし「SOMEWHERE」とは、全然違う。

(よく引く受けたものだと感心するほど(笑)

やはり何かを得るためには何かを捨てないといけないのだろうか?

しかし手放すことで新しい愛情が与えられるとしたら・・・・。

子供が大人へと成長していく描写はさすがにスピルバーグという感じである。

3人の制作者によって構成されている作品は、感情移入がむずかしく観る者にとっては大変である。

やはりもっと時間があればよかったのだろう。

きっとファンタスティックな作品に成っていたと想いながら

子供のころ夢中になって遊んだ頃を思い出した(sim)

127時間

2010年 アメリカ・イギリス ダニー・ボイル作

スクリーンが空いた瞬間に椅子に釘付けとなってしまうほど引き込まれてしまった。

さらに音楽のセンスは一流だろう。

(次第にスイングしてしまう場面もあるほど!)

簡単にいえばノリがいいのである♪♪♪

社会から距離感を置くことに心地よさを見いだし、恋人とも別れることになってしまったロッククライマー。

ほとんど彼一人の視点でストーリーが展開する。

登場人物や背景・さらには心情などが大変よく絡み合ってまとめれつつもけして重くない(笑)

むしろ主人公にリンクしてしまうほど!

(これがこの作品の狙いかもしれない)

絶望という希望に向かい合うとき可能性にかけるスタンスは、いろんな意味で誰もが持っているもの。

この作品は実話をもとに描かれており以外と忠実にそしてコミカルに描かれている。

自然界での無力さや葛藤・自然界の美しさ・厳しさや人間の欲望・挫折など

ころころ変わる展開とリアリティに心はわしづかみにされる。

奇跡などそうそう都合よくおこるものでもなく

次第に砂時計の砂が落ちて終焉を迎えるがごとく時は進む。

(なんとなくタイトルポスターってそんな風に見えますよね:笑)

最後まで希望をあきらめず自分に起こる結末には、おもわず叫んでしまった(笑)

タイトルの「127時間」というものをどのようにとらえるか・・・・

この作品の意図は観る側の受け止め方や生き方で変わるものだろう。

ちなみに監督ダニー・ボイルといえば「スラムドッグ$ミリオネア」で賞を受賞している。

追伸:自然界の美しい営みや景色は観ていて飽きない。

美しい映像を観ているだけでもいい感じ!

一瞬「パリテキサス」の美しい映像とライ・クーダの美しい音楽をふと思い出しました(笑:sim)

Skyline

2010年 アメリカ ストラウス兄弟作(VFXアーティスト)

アメリカが生んだSFコミックとでもいうべきかアメリカンドラマというべきか・・・

いずれにしろ世界観もあまり感じさせない程度にまとめられ気軽に楽しめるストーリー。

ぶっちゃけ「なかよし友達パニック映画」(笑:悲)って感じ!

しかし特撮会社を経営する兄弟監督はさすがに凝った創りをしています。

(特撮に金使いすぎ:泣)

クリーチャーやメカデザインについては・・・?。

(次第に特撮テレビのキャラクターに見えてきた:笑)

何点もの疑問がある中ストーリーは進み、やっぱり登場人物の少なさにびっくりするでしょう。

ある朝、突然、日常が一変し逃げまどう様などホテル内での人間ドラマが展開!

結局これといったテーマが見いだせないまま終焉(謎)。

それどころか次作につながる結末にがっかりさせられる始末(笑)

確かに低予算的にしては頑張っている感は否めないもののアイデアなどはいまいち。

2009年「第9地区」:アニール・ブロムガンプ作あたりの切り口やアイデアはとてもよくいまでも観てみたい作品ですが・・・。

やはりこのジャンルの作品(B級脚本)には明確な理由や事象・テーマなど付けないほうが賢明なのだろうか?

観る側からすれば,どんな作品にしても最小限必要なファクターだと想うけど・・・(sim)

プリンセス トヨトミ

2011年 日本 鈴木雅之作 (万城目学原作)

まさにパラレルワールドな時間をすごすことができました。

大阪の空堀商店街を舞台に繰り広げられるヒューマンストーリーは、どこかコミカルでノスタルジックな趣です。

学生時代に過ごしたこともそんな思いにしてくれるのでしょう。

終始出てくるたこ焼きやお好み焼き・・・・

見ているこちらまで満たされるのは不思議なもの?

舞台俳優である堤真一の雰囲気は独特でおもしろい。

現在、この俳優のポジションに位置する方はいないでしょうしあのような趣を持つ人もいないでしょう。

また、この作品にはなぞが多く意図的なものなのか企画不足なのかはともかく

これだけ未解決があれば知りたくなるのは当然である。

原作に求めるも知ったところで・・・っというように、どうでもいいことなのだろう(笑)

全体的にはドラマ仕立てという観点は否めないもののひさしぶりに楽しむことのできた邦画です。

ちなみに

大阪を舞台にした作品で、「ブラックレイン」は、阪急コンコースをとても魅力的に描いています。

(アンディガルシアの演技も大好きです!)

「うる星やつらビューティフルドリーマー」などもパラレルワールドをよく表現された作品ですね(笑:sim)

X-Men: First Class

2011年(アメリカ) マシュー・ヴォーン作

言わずと知れたアメリカンコミックのX-Men第5作目である。

最近はシリーズ完結という形ではなくスピンオフ作品や起源をテーマにしたものが多い。

特にこのようなコミックシリーズものには、打ってつけだろう。

一概に言えないものの興行収入が良く見通しがつけば発起するというビジネス的なものがほとんどだ。

(BTTFも2作目からは、そうだろう:泣)

観る限り原作に沿ってはいるが忠実ではないのが現実。

ヒーローものから超人もの・・・アンドロイドやトランスフォーマーもの・・・

しまいには神様まで出てくるのだから

何でもありのアメリカそのもの!(笑)

この作品もそんな何でもありの設定が終始観る者を釘づけにさせる?(フリーズというべきか・・・)

アクションやCG カットやワーキングなど監督の技量なっどほとんど裏に隠れストーリー展開も?という感じ。

救えるのは前4作があるためなんとなく納得しながらみることができる。

感動こそしないものの本当にコミックを観て楽しんでいる心境に成ることは確か。

配役としてケヴィン・ベーコンが唯一存在感があるものの締りの悪さは??である。

しかし、魅力的な雰囲気は圧巻でぜひ次回の主演を期待したいものである。(sim)

ちなみに彼の父は建築家(都市計画家):エドモンド・ベーコン(2005年没)である。

Black Swan

2010年(アメリカ) ダーレン・アロノフスキー作

プリマドンナを夢見てダンスに生きる少女の苦悩と可能性を描いている。

芸術創作というには、過酷な現実と仲間たちの狭間で次第に狂気へと闘いながらも

夢への可能性を胸に打ち進んでいく様を描いている。

葛藤の表現が鋭くよく表現されている。

驚くのはストーリーがいわゆるサイコスリラー的な要素があることだ。

これには驚かされたし必要性も考えさせられた。

自分の妄想から生み出される魔物(ここではブラックスワンだろう)に狂気となっていく様は

アンジェイ・ブラウスキー作「ポゼッション」とだぶる感覚がある。

(こちらはサスペンススリラーといってよいだろう)

視点をかえれば表現しやすいだろうが演じる俳優の技量が問われるはず。

主演のナタリー・ポートマンはその役を見事に演じ観客を魅了したことは間違いないだろう。

彼女はこの作でアカデミー主演女優賞を得ている。

全編そのような緊張感の中に観る者を引きずりこむ手法はさすがというべきか

少々疲れ気味になる最後に天空からさす美しい光で主人公ともども救われる感が一番印象に残る!(sim)

トスカーナの贋作

2010年(フランス・イタリア) アッバス・キアロスタミ作

久々に秀作を観ることが出来た。

冒頭から引き寄せられるストーリーと展開は終始考えさせられる内容。

美しい北イタリアを舞台に日常の一時を切り抜き永遠のテーマである「本物以上の贋作」について問い求める掛け合いは面白い。

新作発表のために訪れた「作家」

ギャラリー女店主の「シングルマザー」

二人の会話劇は観る者を深く心境に導く術がある。

その中でもテーマに対する視点を変えながらの

会話やカメラワーク・登場人物や風景などキャスティングや視線の移動はすばらしい。

何気ないカットの中には様々な含みをもたせ対比する映像はとても美しい。

たとえば、シングルマザーの視線の先に座る作家に対する苛立ちを表現しながらも、

その視線の先で行われているこの上ない幸せな結婚パーティの穏やかさ。

窓越しに感じとれる感情の起伏や構図はすばらしい。

特に映像を見る限り日常を描いているように感じるが実は非常に計算尽くされたものを感じる。

さらには永遠のテーマに向き合いながら進めるストーリーは必見。

長い時間を費やし遠い場所まで逃避行的印象だが

これもシングルマザーのギャラリーから30分程度の場所を舞台に

昼過ぎから夕方にかけた短いタイムワークストーリーとなっている。

いつしか偽りの夫婦を演じる二人は次第にテーマについて求めながらも自らの視点や感情を変えながら

自分を見つめなおし、本来の「贋作以上の本質」を見極めて行くこととなる。

それは、キアロスタミにとっては新境地になることは間違いなく次作が楽しみである。

余談になるが主演のビノシュはこの作品でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞している。

彼女を最初に観たのはカラックス作アレックス3部作の「ポンヌフの恋人」:1991年

(渋谷のシネマライズ:北河原温作の地下にはカラックスの直筆サインがある:笑)

パリで一番古いポンヌフ橋に住む住人と夢を追い求める女画家の純愛ストーリー。

今日の彼女を観る限り当時と何一つ変わることなく美しい輝きを持っていたことに嬉しさとすごさを感じる。

やはりこの作品は言うまでもなく幾度も観ることが出来る秀作といってよいだろう(sim)

BTTF

1985年(アメリカ) ロバート・ゼメキス作

全編にわたるアイデアと意欲がすばらしい。

CGに特化するわけでもなく要所に見せる工夫は特に面白い。

ストーリーテンポやミュージックもハリウッドらしい。

俳優のマイケルJフォックスは現在、パーキンソン病との闘病生活となってしまったが

当時の作品にみる溌剌とした印象は今でも色あせることなく観るものを楽しませてくれる。

この作品には続編もあるがやはりこの作品が一番好きだ。

ただ3部作を通し時代や街の変遷や背景をみるのも楽しいものである。

これは、俳優・監督・技術が想いの一つの作品に取り組む様がとてもよく感じとられた作品だ(sim)