Archive for the ‘映画雑観’ Category

ミッドナイト・イン・パリ

2011年 スペイン アメリカ 監督:ウッディ・アレン

「パリに溺れる」とはこんな事か!(笑)

ひょうなことから訪れたパリの夜!

想いもよらない出来事が起きるものの素直に受け入れる主人公に哀愁と笑いがこみ上げる。

(けして踏み入れる事ないあこがれかもしれない)

取り巻くフィアンセや義父義母とのツッ込みどころは絶妙だろう(笑)

こんな幸せな夜を過ごせるなら「何もかも」イニシャライズしていいかもである!

(そんな勇気もないかな:泣)

「建築は夜、築かれる」という言葉がある。

ここには、はっきり「芸術は夜、つくられる」「そして語られる」という

昔よき時代がお腹いっぱいに撮られ

黄金時代の素晴らしさを感じる事が出来る。

「今に満足しないから人生がある」

このフレーズに含まれる根底はなんなのだろう?

監督自身の言葉なのだろうか?今に生きる我々への警鐘なのか・・・?

いずれにしろ今観るべきスクリーンだろう(sim)

ダークシャドウ

2012年 アメリカ 監督:ティム・バートン

ダークファンタジー監督:ティム・バートンが集めたキャストはとても個性的で

一癖も二癖もある俳優ぞろい。←それだけでも楽しい!

とくに

ヘレナ・ボダム=カーター(英国王のスピート)の怪演ぶりは本当に気持ち悪い(笑)し

クロエ・グレース・モレッツ(キックアス)の変な使われ方は期待通りだし!

ジャッキー・アール・ヘイリー(シャッターアイランド)はいい味出しているし・・・

アリス・クーパーはめちゃくちゃかっこいいし!!

セットに至ってもマニアックなギミックとつくりこみは、とても興味深い!

テレビシリーズだけあってティム・バートンのオリジナルではないが

オマージュとしてつくりこんだ感満載と言ったところだろうか。

いろんな登場人物が描くストーリーが絡みあいながら

時間が過ぎても変わらない不変の愛と憎しみに気づくとこあたりは

ちょっとばかり感動しながら、ブラック比喩が多いせいか苦笑ぎみのストーリーがつづく。

(次第にアダムスファミリーにも見えてくる:笑)

そういえばシザーハンズもどこかもの悲しい物語だったし・・・。(sim)

鬼に訊け

2011年 日本 監督:山崎佑次

生涯宮大工として生きた西岡常一(ニシオカツネカズ)

知ったのは高校の時だ。

教科書として渡された冊子を通じて何も分からないまま読んだ記憶がある。

法隆寺・薬師寺と手掛けたドキュメンタリーは心に響くものだった。

とくに弟子に教える言葉には圧倒される。

当時の文科省や学者には理解しがたい理念と技術が垣間見れる。

それは理屈ではなく経験と自らの体験からしか生まれないゆるぎないものだった。

書物の上でしか想像できないものがほんの一部映像化されることは

知らないモノたちへの光となることはまちがいないだろう。

「ヒノキ」という素材を語るだけでも奥が深く鋭い。

自ら「鬼」と称し弟子に接する場面はこっちまでブルブルくる印象を感じる。

現代建築にとどまらず時と共に静かに警鐘を伝えてるかのようだ。

久しぶりに建築をめざした当時を思い出された一時となった(sim)

ジョンカーター

2012年 アメリカ 監督:アンドリュー・スタントン

ウォルトディズニー生誕110年記念作品にこれが抜擢されたということもアリ期待アリアリでのレイトショー!

ピクサーのスタントンによる実写初の作品は見所・突っ込みどころ満載の出来!!

苦笑しながらも概ね楽しめた時間となった。

つくり込みはとても楽しめ3Dから受ける違和感はとても少ない。

アニメーション的カットは否めないものの表情はとてもいい感じで受け止めることが出来た。

なぜに???というストーリーは見ている次第に慣れてくるのは不思議な感じだ。

原題である「火星のプリンセス」といえば想像つくだろう(笑)

むしろベターではあるがこっちの方がタイトルに合っている!!←きっとこっち!!

結局、冒険活劇的なノリとクリーチャーとの対決!地球と火星における遠距離恋愛などなど・・・

いろんな要素をいれつつも中途半端な結末と説明に何気に消化不良・・・・

最終的にはそんな?も吹っ切れなぜが納得させられた不思議な作品でもある(笑)

しかし・・・なぜこれが記念作品なんだろう?

とくに最後のメッセージも謎である??(sim)

バトルシップ

2012年 アメリカ ピーター・バーグ

ユニバーサル記念作品と言うだけあって期待しつつ訪れる事となる。

アメリカ映画も最近は変わりつつよくもこんなストーリーを考えたモノだ!

根性 根性 ど根性といわば日本のお家芸とも言える手法と俳優陣(笑)

単純にあって明快なコンセプトは近頃珍しく攻守一体という出来の良さだろう。

派手でスーパーな主人公は存在せず

チームワークと根性だけで困難を打開する辺りは見ていて気持ちがいい。

ナンセンスもそんな前には小さく想える(笑)

こんな天変地異な出来事も2日間で解決するのである。

ありえなくもハリウッドらしいと言えばそうかもしれない。

妙な説得力と何処からくるのかわからないパワーに圧倒された一作だろう。

ちなみにアナログこそ本来ニンゲンが持っている力の証である(sim)

チキンブリトーってそんなにおいしいモノなのか?(謎)

ブリューゲルの動く絵

2011年 ポーランド レフ・マイェフスキ作

原題は「水車小屋と十字架」らしい!(とっちの方がいいかも:笑)

画家ピーテル・ブリューゲル作「十字架を担うキリスト」をモチーフに描かれた絵中劇というべき展開には

終始引きつけられるモノがあった。

開始早々30分程度におけるセリフなし!(暮らしのなかの生活音とノイズ)

日々淡々と暮らすフランドル地方民の営みを一枚の絵の中に導かれ(・・・というか放り込まれた感満載:笑)

絵師と共に悲惨で無慈悲そして社会の無関心さに驚くばかりである。

「バベルの塔」で有名な画家ピーテル・ブリューゲルをモチーフにしている作品とあって

興味津津ではあったが聖書や時代背景にはそれほど詳しくも興味もなく

どれほど理解したのか未知数だろう。

ただ作品におけるつくり込み(装飾・衣装・背景や映像)は今まで見てきた作品と比べ

群を抜くほどの出来栄え!

「絵」が刻々と動く仕掛けや絵師の感情などが素晴らしく表現され

本当に不可思議な印象を持った。

ゴルゴダの丘を見下ろす風車を止めるほどの魔法があっても人を救えない無力感を

俳優ルトガーハウアーがハマり役として登場している。

それを見るのも楽しみの一つだろう。

ただ後味がいいとは、けして言えないコアな作品であることは間違いない(笑:sim)

STAR WARS EP1 ファントムメナス(3D)

2012年 アメリカ ジョージルーカス

1999年に公開さて以来スクリーンにかかるのを待っていた作品です(笑)

1977年から続くスターウォーズシリーズのⅠ作目にあたる。

今さらと思う反面とても興味がある内容である。

旧作を3D(一部)とした一方当時より格段にドルビー音響技術が増している現代!

映像よりそっちの方が引きつけられシリーズ最高の面白さを味わうことが出来た。

(これからさらに旧作リメークがつづくのだろうか:笑)

最近はプリクエルが多くなってきたもののまともな作品が少ない。

一方では技術革新による今回のようなパターンも増えてくるだろう。

いづれにしてもスクリーンで観れることはとてもうれしい。

ちなみにナタリーポートマンも若々しくブラックスワンでみせた趣は無いにしても

レオンから5年後とは思えないほど成長している。

時代を超えて監督や俳優を見て行くのも楽しみ方の一つだろう。(sim)

ヒューゴの不思議な発明

2011年 イギリス・アメリカ マーティン・スコセッシ作

スコセッシ初の3D作品とあってコアなつくりを期待しつつ訪れた(笑)

あらゆる賞を筆頭に流石というほどのコアぶり!(期待通りでる)

しかも通常の3Dとは手法が違うのかとても見やすい。

子供といっしょにたのしめる唯一のスコセッシ作品だろう!

舞台のリオン駅を中心に不思議な縁と人情・原風景など織り交ぜながら

ストーリーは一人の老俳優を救って行く。

子供の探究心や父親の残した謎を解くため歯車(これがすごい!)と共に暮らす。

とりわけ鍵をもった少女にクロエ・モレッツが起用されており

キックアス&モールスに次ぐキャスチングだ。

今回は不思議な雰囲気を出しながら少年をサポートしていく普通(笑)の役を演じている。

俳優はさておきスクリーンいっぱいに広がる世界観と

マニアックともいえる描写表現を観るのだけでも楽しめるファンタジー作品である(笑:sim)

シャーロックホームズ2

2011年 アメリカ・イギリス ガイ・リッチー作

原作とは一味違う脚色を活かし推理アクション的ストーリー。

二作目とあって流石にホームズとワトスンの息はピッたしという感じだ(笑)

今でこそ3D作品が意味なく採用されているのに対し

この映画が2D作品であったことは救いである。

そもそも字幕を追うのに必死なくらい展開や人物描写が激しい!

残念なのはモリアーティ教授の人物像が希薄なうえに

俳優としての魅力を感じ得なかったこと。

せっかく三つ巴の攻防を期待していたせいか↓↓である。

やはり三部作といったカタチのおきまりの展開になるのだろうか?

ただ時間を感じさせないストーリー展開はやはり流石!

次回の巻き返しに期待するばかりである(笑:sim)

メランコリア

2011年 デンマーク ラース・フォン・トリア作

美しくも狂気ってことかな・・・?

凄まじく引き込められる映像美と時間。

久しぶりに堪能出来たのか曖昧甘美な時間ってやつを味わいました(笑)

終止スクリーンに表現される不安と疑心。

楽しみにしていた作品だけあってすぐさま観に行ったのもつかの間

冒頭から壮大なテーマやられてしまい椅子に縛られる事2時間半(泣)

どんな答えを出すのだろうと・・・

(笑)見事にぶっ飛ばされた結末に納得するしかないでしょう!

(ちなみにポスターのコピーは本筋ではない:泣)

しかし・・・

次第によみがえってくる退屈な中身・・・

じつはその中にこのテーマの答えが溢れるほど埋め込められているのである。

そんな心情を感じる不思議な作品かな・・・?

でも!こんなのつくる奴は尋常じゃないかも!

サイコーに退屈で目が覚める作品です(笑:sim)

追伸:シャルロット・ゲンズブール!見事な演技に脱帽です!